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2005年05月08日

玄米とフィチン酸、ミネラル吸収

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 安くて低農薬なきらら397の玄米をまたまたリピート購入いたしました。

 「安全で安い玄米きらら397と炊き方のコツ」「安い玄米きらら397を再び購入」で触れた通り、きらら397は北海道で栽培される寒さに強い品種です。元々害虫の少ない土地で育てられるので、比較的少ない農薬で済むというわけです。
 貧乏性のわたしとしては、購入の度に一番安い玄米を探しているのですが、ここのところ毎回最安がこちらです。

グルメの信州屋 玄米

 送料を入れて1kgあたり400円以下ですから、特売の白米には勝てませんが、スーパー等で買う玄米よりはお安いです。
 「玄米 きらら 10kg」などと指定しても5kgのものなどがガンガンヒットする上、お米は送料が問題ですから、最安を探すのは結構骨が折れます。
 ちなみに、今回はりんごジャムをオマケにつけてくれました。
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 玄米の話題は毎度代わり映えがしないので、今回はフィチン酸(イノシトール6リン酸)とミネラル吸収阻害の問題を扱ってみます。

 「玄米は身体に悪い」という説があります。
 玄米が白米より多くのミネラルを含んでいるのは間違いありません。また玄米に含まれるフィチン酸(イノシトール6リン酸)には抗がん作用があるとも言われています。しかしこの二つが同時に含まれていると、少し困ったことになります。
 というのも、フィチン酸はミネラルと強く結合する性質(キレート作用)があり、これらの吸収を阻害してしまうのです。更に体内のミネラルまで奪ってしまうことがあるため、白米よりかえってミネラル不足になる、ということです。
 またそもそも玄米は消化しにくく、栄養の吸収効率が悪い、という指摘もあります。

 これらについては、一定の範囲で事実だと思います。
 キレート作用についてはどうしようもありません。完全玄米食ではなく白米と混ぜる、という方法もありますし、一番良いのは発芽玄米を利用することです。
 玄米を発芽させるとフィターゼという酵素が働き、フィチン酸とミネラル成分が分解すると言われています。このため、それぞれが体内に吸収されやすい形になるわけです。
 市販の発芽玄米を購入すればお手軽ですが、発芽玄米は自分でも作れます。温度などが難しいと思われるようでしたら、「自宅で発芽玄米が作れる 発芽玄米御膳」でご紹介したような発芽玄米器を活用するのも一手です。

 ただ、これらのデメリットを認めながらも、やはりわたしは玄米食をお勧めしたいです。
 まず、仮に自宅で炊くご飯がすべて普通の玄米だったとしても、精製穀類を食べる機会はいくらでもあります。むしろ白いお米やパンを徹底して避ける方が難しいです。白いものはイヤでも入ってくるのですから、コントロールできる範囲ではなるべく玄米を使っておくほうがバランスが取れるはずです。
 また「吸収が悪い」ということがそれほど害毒でしょうか。
 ダイエット目的で玄米を活用されている方は、GI値を気にされていることでしょう(わたしもそうです)。玄米は吸収が遅く、インシュリンの上昇率が低いため、糖質が脂肪として蓄積される割合が少ないのです。「吸収が悪い」と言ってしまうとそれまでですが、「体重を減らしたい」ということなら正に目的に合致しています。
 「そんなものは不健康じゃないのか」という指摘もあるでしょう。そうです。不健康です。
 そもそも痩せるということが健康的なわけがありません。本気で痩せたければやつれるくらいの気合いで望むことです。
 また例えば標準体重を10kg以上オーバーしているような状態であれば、玄米の「害」より肥満の「害」の方がずっと大きいです。毒をもって毒を制するまでのことです。
 少し言い過ぎましたが、「吸収の良いもの」についても、これまた世間には溢れかえっています。吸収が良すぎて困るものなどイヤというほど食べさせられるのですから、自分で焚くお米くらい頑張らないと吸収できないものにしても結構ではないですか。

 「良く噛まないと吸収できない」などという指摘がありますが、笑止千万です。
 良く噛まないといけないなら、良く噛めば良いじゃないですか。
 咀嚼作用はヒスタミンという満腹中枢を刺激してくれる物質の分泌を促します。さらにヒスタミンは学習・記憶に関連する神経ペプチドの分泌も調節していて、アルツハイマー病との関連も指摘されています(「歯牙喪失と痴呆 歯が抜けると痴呆が早まる?」参照)。
 既に咀嚼能力が弱くなってしまっている場合には、確かに安易に玄米食を薦められませんが、噛めるうちはどんどん噛んだら良いのです。噛まないから噛む力が衰えるのです。しかも玄米は比較的歯に付着しにくく、虫歯や歯周病予防の観点からもプラスです。

 確かに玄米さえ食べれば健康になれるという訳ではありません。「玄米の栄養メモ ギャバで精神は安定するか」で書きましたが、宣伝されている玄米の健康効果の中には怪しげなものも含まれています。
 しかしまず第一に、万能の健康食などというものは存在しません。「これだけ食べていれば大丈夫」などというものは、既に信仰の領域にあります。
 そして第二に、逆説的ですが、最後はこの信仰だけが重要になります。
 いくら気を使ったところで病気になる時はなりますし、ほとんどの人は百まで生きるわけではありません。今良いと思っているものでも、十年後には悪いとわかることもあるでしょう。
 それでも何かを選ぶわけですし、どうせ選ぶなら自分で「良い」と信じられるものを選んでおいたら良いではないですか。信じて食べ続けて、そして死んだら結構ではないですか。それとも、養生さえすれば不老不死にでもなれると思っているのでしょうか。

 食道楽に溺れて肝臓を壊すような生き方も、わたしは否定しません。すべて承知で秤にかけて、自らの信念や快楽と心中するなら、むしろ尊敬にすら値するでしょう。
 玄米食がこれに比べて絶対的に優れているなどとも思いません。ただ単に、総じて見てわたしは玄米が「好き」だというだけのことです。
 人がある食べ物を「好き」になる理由は色々で、単に「おいしい」でも結構ですし、頭でゴチャゴチャ考えて「身体に良い」やら、更には文字通りの宗教的信念に基づくものであっても何ら違いはありません。

 マクドナルドか玄米か、なら、わたしは玄米と心中します。
 呼吸だって、趣味でしているようなものです。


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コメント

> 白いものはイヤでも入ってくるのですから、コントロールできる範囲ではなるべく玄米を使っておくほうがバランスが取れる

この考え方に大賛成です。
私は化学調味料に関してシビアですが、美味しいとか不味いとか言うよりも、食べて体調が悪くなるもの(私の場合は皮膚に出ます)は排除したい。でも外で食べると完全に排除というわけにもいかないので、せめて家では使わないようにしています。
でも、こういう考えは分かる人には深く説明しなくても分かるし、分からない人には「身体に悪くても美味しければ良いんだ」と言われて永遠に理解してもらえないんですよねー。まあいいや、私も一種の宗教みたいなもんだと思って突き進みます。

投稿者 ぷるみえ [TypeKey Profile Page] : 2005年05月08日 07:35

そうなんですよね。外食や外で買ったものはある程度仕方ないし、その辺で多少ポリシーと違うものも入れたりして、全体でバランスが取れているのかも(笑)。
まぁ、わたしは自分の食べ物さえコントロールできれば良いんですけど、誰からも食事には誘われなくなります(笑)。
食べ物以外に問題がある、という気もしますが。。。

投稿者 ishyou [TypeKey Profile Page] : 2005年05月11日 00:00

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