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2006年11月05日

世界史は高校2年のリセットボタン

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 最近、履修漏れ問題で人気の世界史。
 しあわせのかたちさんの「高校生の未履修問題」と「いじめ問題」は表裏一体だというエントリに、世界史についてこんな記述がありました。

 ちなみに私の拙い受験経験から言うと、世界史という選択科目は(衒学趣味としての面白さはずば抜けているものの)受験項目として受験期に学ぶことを考えると、あまりよくないんじゃないかなあ、という感触を持っている。ほかに選択可能な日本史や地理、倫理・政経・現代社会に比べて要暗記項目が多いし、それをクリアするためには体系立てて記憶していかなきゃいけないから、バカには向いていない。固有名詞も耳慣れないカタカナが多くて暗記しづらく、空間的知識も必要になってくるからえらく面倒。
 おまけにめげずに必死になって体系だてて覚えても、大学に入ってからフーコーみたいなひねくれジジイが「過去の事象の体系化などというものは、政治的イデオロギーの産物だ」なんて言ってることを知り、ガーンとなったりする。ようは「世界史は受験にも向いてない」と。まあこれは余談だけど。

 この下りは文中にもある通り「余談」で、エントリの主題とは別なのですが、そういう余談にばかり反応してしまうわたしとしては、世界史という科目の独特の感じを思い出して年寄りくさい感慨に耽ってしまいました。
 世界史大好きでしたよ、わたし。

 わたしは受験で社会を二科目、それもセンター試験と二次試験で別々の科目を使う必要があり、二次試験に世界史、センターに日本史を選びました。理由は漢字が書けないから。センターは選択式だから書かないで済むじゃないですか(笑)。
 それ以前に、日本史と世界史では圧倒的に世界史ラヴでした。
 日本史は小学校以来何度も習ってきたわけですが、何回聞いても今ひとつ興味を持てませんでした(今でも興味ないです)。そもそも時間軸でオハナシを考えるスタイルに脳みそができていない気がします。仮にも小説を書いたり映画を撮ったりしていた人間の発言とは思えませんが、どちらかというと空間的布置や構造に興味が沸くタイプで、(構造の時間的展開としての)機能には今ひとつ萌えないのです。職場のオジサンには「オブジェクトなんてわかんねーよ」という方がいますが、わたしとしてはオブジェクト指向的(構造優位的)見方の方がずっとわかりやすいし、一々関数呼んだりするのはさっぱり意味がわかりません。
 いきなり話がズレましたが、世界史の良いところは、時間的な要素に空間的横軸が絡んでいて、立体的にできているところです。何せ国境そのものが動いちゃったりしますから(笑)。オリエントやヨーロッパとか、ルーズリーフに世紀ごとの地図を自作してパラパラマンガみたいにして覚えた記憶があります。
 それからスケールが大きいですよね。これが素晴らしい。
 日本史なんて、どっかの将軍が殺されたとか、なんだかみみっちいじゃないですか。
 世界史だと民族まるごと虐殺くらいのノリで、なんとも派手です。わかりやすいです。血も涙もないというか、問答無用な感じが気持ちよかったです。
 カタカナも良かったですね。みなさん、漢字の方がカタカナより覚えやすいんですか? わたしはまったく逆でした。シュメールとかヒッタイトとか、メカっぽくてカッコイイじゃないですか。音も印象的だし、スッと入ってきます。脳の一次メモリ少ないんで、一文字に2バイトも3バイトも使えないんですよ。

 それからですね、わたしの学校では世界史は高校二年からやったのですが、この「高校2年で始まる」というのも重要なポイントです。
 わたしは中高一貫教育の学校だったのですが、もうとにかく芸術的に勉強しない人で、バンドやったり本読んだり小説書いたり映画撮ったりしているばかりで、少なくとも高校一年まで授業のほとんどは徹底的に寝ていました(ちなみに、大学に入ってからも大体同じでしたね・・)。
 お陰で中三から高一くらいまで成績は最悪、学年ワースト5くらいまで行ったと思います。
 高2になって、さすがにコレではヤバい、と思い勉強を始めたのですが、他の子供たちはもっと前から努力しているわけで、今頃頑張ったところでなかなか追いつけるものではありません。英語だけはなぜか相性が良くてすぐに成績が良くなったのですが、他の科目はせっかく勉強を始めた割りに努力があまり反映されません。過去の蓄積がないのですから、当たり前です。
 そんな中、高2から始まる世界史というのは、希望の星でした。
 日本史ではまったく敵いませんが、世界史については他の子たちも初めての体験、同じスタートラインです。
 世界史は高校2年のリセットボタンなのです。
 まぁ、最終的にはやっぱりそれほどのレベルに到達できず、受験時点でも足を引っ張る科目の一つだったのですが、「今からでもやれば何とかなる」希望を与えてくれただけでも、世界史には感謝です。

 「人生にリセットボタンはない」みたいなことが言われますけれど、本当にそうですかね。
 人生まるごとリセットというのはなかなか難しいでしょうけれど、探せば小さなリセットボタンって結構ありますよ。
 負け切ってスネちゃうくらいなら、ポンポン捨てちゃえばいいじゃないですか。リセットなんて気軽にすれば良いし、やり直せることも沢山あると思います。
 こんな視点で世界史を捉えるのはわたしくらいでしょうけれど、負け続け(寝続け)ですっかり勉強やる気なくしちゃっている子にハッパかける方便の一つくらいにでもなれば嬉しいです。ダメですか?

『世界史かるた』 奥野かるた店『世界史かるた』

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