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2007年06月19日

外山陣営はすべてがトロすぎる

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 昨日になって、外山恒一さん拘留に対する「外山陣営」の公式見解がようやく発表されました。
 遅い! あまりにも遅すぎる! 牛歩戦術ですかっ!
 何度も書いていますが、わたしは外山さんおよびその界隈の一部の人に一定のシンパシーを抱いていますが、思想的にすれ違う部分も多く、何より高円寺やそのカルチャーが嫌いです。それでもコミットしようとするのは、一つは外山さんがファシストを名乗っていること、もう一つは「高円寺的なるもの」が紛れもなくわたし自身の中にあり、愛憎入り混じった複合観念を抱いているからでしょう。まるで接点がないなら、わざわざ中野の次の駅を敢えて罵ることもないはずです(実際、普通の人はしない)。
 そんなわけで、どこか放っておけない東京の外山陣営(九州の人のことは知らない)なのですが、今回の反応のトロさ、そして「声明」の内容にはほとほと呆れました。

 考えてみてください。今回の件で一番得しているのは誰ですか。
 間違いなく、外山恒一さん本人です。
 都知事選の盛り上がりが引いてきたあたりでショボい罪で捕まってみる、という展開は大変タイミングがよろしいです。できれば野菜の万引きとか、もっとショボい方がオイシかったです。
 もちろん、警察に捕まって嬉しいわけはないですが、とりあえず彼は慣れていますし、拘留のもたらす全体的効果を勘定に入れられないほどアホな人ではありません。正にファシスト。
 この好機を活用することなく、無為にブログ更新を停止し、独自情報をほとんど流せないままでいた陣営は余りにトロすぎます。
 拘留の理由について諸説流れているようですが、要するに交通違反の反則金5,000円を払わなかったことが端緒であって、常識的に考えて99%ウラはないでしょう。もちろん5,000円のために熊本までやって来た(しかも初回は外山不在で空振りだったらしい)鹿児島県警の振る舞いは税金の無駄遣いそのものですが、権力というのはそうやって体面を保つのが仕事なわけですから、特筆するようなことではありません。
 高円寺系の陣営も、さすがにことの無意味さはわかっていたようで、だからこそもっともらしい見解も思いつけず、反応が遅れたらしいですが、見解がないならないですぐにそう言えば良いのです。
「我々(団)としても建設的な提案など一つもない! よって総統を放置する!」
 くらい30分で公式発表できなければダメです。そんなことだから就職の面接も落ちるんです。

 発表された見解では「5,000円が惜しいわけではない」としていますが、むしろ5,000円が惜しくてつかまった方が百倍カッコイイです。5,000円ではない、システム的なモチベーションで動いているのは国家の方でしょう。
 ちなみに、(外山不在をよいことに)本人から聞いた裏話をこっそり暴露してしまえば、「任意出頭には応じないが公判には出る」旨彼が県警に送ったハガキは、年賀状のあまりです。配達記録くらい使いましょうよ。

 もちろん、ただネタとして盛り上がれれば良い、ということではありません。
 声明にあるように、彼は芸人ではないし、目立ちたがり屋ではありますが、目立つためだけに行動しているわけではありません。むしろ本気の本気だからこそ機知を発揮する、ということは「さておかれない冗談 外山恒一」で書きました。
 しかし、啓蒙だの「国家の体面を潰す」だのといったベタなお題目で動いている人ではありません。
 確かに彼は性根が優しく寂しがり屋で、無教養な若者にも「啓蒙的」に接しようとします。しかしそれはむしろ弱みであって、百歩譲っても大衆動員のためのポーズです。そうでなければ、ファシストの風上にも置けません
 「国家の体面を潰す」パフォーマンスほど国家を喜ばせるものはない、などということは新左翼の時代からわかりきっていることです。
 「界隈」の若者たちは、あたかも「国民」と「国家」が対立しているかのような図式を描いていますが、そんなマンガのような対立軸など仮に存在した時があったとしてもとうに滅んでいますし、もとよりこの軸自体が、幻想共同体としてのネーション=ステートを支えるファンタジーに他なりません。
 後期資本主義国家とは、匿名的大衆こそが「権力」を持つ国家です。彼が敢えてファシズムを言うのは、「名もなき善意の人々」によるPC的管理に対抗するためではないのですか。それは「体系としてのファシズム」(という実体のないもの)ではなく、「敢えてファシズム」の効果、軸自体を脱臼させるものでなければなりません。

 さらに「革命ごっこがしたいんじゃない、革命がしたいんだ」などという台詞ほど、「革命ごっこ好き」が口にするものはありません。
 革命でも社会改良でもエコロジーでも、何らかの調和を謳うものは、すべからくファンタジックです。イデオロギーとは、社会なるものが存在する、という幻想です。
 そしてこの幻想は統制的理念として要求されるものですから、幻想自体を全否定しても始まりません。ただ、丸っきり飲まれてしまってはバカ丸出しです。それでは、オルグだの団結だのといった人間関係にオピオイド分泌依存している市民派や伝統左翼と全然変わりありません。会議フェチの無能課長と一緒です。給料出るだけ課長の方がマシなくらいです。
 革命やその他の「理想」が人を惹きつけるのは、それが「ごっこ」的調和の魅力を放つからです。ですから、真の革命とは、常に革命ごっこです。
 革命ごっこがしたいのなら、革命ごっこがしたいと言えば良いのです。
 したくありませんか? わたしは割としたいですけれどね、革命ごっこ。会社は辞めませんけれど
 もちろん、したくないならしないでも結構ですし、飽きたらやめれば良いんじゃないですか。
 「ごっこ」を「ごっこ」と知りながら、なお大マジで「ごっこ」する、そこにこそ「でもやるんだよ」精神、ファンタジーを最果てまで実行することによりファンタジーを解体する(そして次のもっとしょうもないファンタジーに突き抜ける)営みがあるのです。
 これは、SMプレイでうっかり本当に絞殺してしまうような「失敗」です。あるいは「できちゃった結婚」です。
 そして「できちゃった結婚」こそ、真に神意に即した「結婚」です。

 九州の支援者については全然存じ上げませんが、とりあえず高円寺系はトロすぎます。そんなことだから東西線も中野で終わりなんですよ。
 まぁこんなにカリカリするのは、わたしにも「奇人」な血が流れているからなのでしょうけれど、わたしは奇人の中の奇人、奇人のエリートですから。君たちのような「平凡な奇人」ではないですから。
 と、言えば言うだけ恥ずかしいエリート主義を振りかざして、罵詈雑言を〆ておきます。

外山恒一さん関連記事:
「外山恒一さんと会う」
「さておかれない冗談、外山恒一」
「外山恒一&松本哉イベント@ネイキッドロフト」
「外山恒一さんと三度接触、匿名的権力と管理なき管理」
「外山恒一さん、また逮捕」

ファシズム関連主要記事:
「サイボーグ・ファシズム」
「ムッソリーニ、人種、自由」
「ファンタジーとファシズム」


追記:
 2007年6月21日の鹿児島地方裁判所における勾留理由開示裁判の傍聴記が早速公開されています。こちらは素早い反応! 叩いた甲斐がありました。いや、関係ないかな。
 とにかく素晴らしい行動力を示したことは素直に評価したいです。行け、我々団! オトコマエになってきたよ!

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